Monthly Column マンスリーコラム

2026年5月号

AIという新しい風が吹く中で〜「変幻自在」に未来を描く

「当たり前」が少しずつ形を変えていく

「AIが仕事を奪う」―そんなニュースを目にして、心がざわついたことはありませんか? 今、私たちの働き方には、これまでの常識が通用しないような新しい風が吹き抜けています。

特にプログラミングの世界では、その変化は驚くほど速くなっています。最近では「Claude Code(クロード・コード)」のような高度なAIが登場し、これまで若手のプログラマーが時間をかけて取り組んでいた作業が、一瞬で終わるようになりました。

実際にアメリカなどの調査では、ジュニア層向けの求人が40%以上も減ったというデータもあり、技術の進化がダイレクトに雇用を揺さぶり始めています。

かつて、花形職業だった「電話交換手」や「和文タイピスト」が姿を消したように、今私たちが一生懸命学んでいるスキルや資格さえも、AIによってその価値が塗り替えられようとしているのかもしれません。

「変幻自在(プロティアン)」という生き方のススメ

では、私たちはどうすればいいのでしょうか。

そのヒントになるのが、「プロティアン・キャリア」という考え方です。

「プロティアン」とは、姿を自由に変えられるギリシャ神話の海神「プロテウス」にちなんだ言葉です。これは、会社にすべてを委ねるのではなく、時代の変化に合わせて、自分自身のキャリアをしなやかに変えていく生き方のことを指します。

この生き方には、2つの大切な軸があります。
・自分自身の軸(アイデンティティ): 「自分は何を大切にして、どう生きたいか」という心の中のコンパス。
・しなやかな適応力(アダプタビリティ): 変化を恐れず、新しいことを面白がって取り入れる力。

私自身の40年のキャリアを振り返っても、行政、流通、金融、そして起業、フリーランスと、その時々の波に合わせて姿を変えてきました。

定年を意識する年齢になっても、こうしてAIエージェント時代という未知の世界にワクワクしながら食らいついているのは、まさに「変幻自在」でありたいと願っているからかもしれません。

「同じ時代を歩む仲間」として

これから先どんなにAIが進化しても、誰かと心を交わすことや、その人の人生の重みを受け止めることは人間にしかできない大切な役割であり続けるでしょう。

AIを敵として怖がるのではなく、自分を助けてくれる「新しい相棒」として使いこなし、自分にしかできない専門性を磨いていく。

その挑戦し続ける姿こそが、相談者の方にとっても一番の励ましになると信じています。

おわりに:共に歩む「ライフチェンジャー」として

AIによって仕事の「当たり前」が塗り替えられていく今、私たちは大きな転換点に立っています。

キャリア支援の第一人者である宮城まり子先生は、キャリアコンサルタントのことを「相談者の人生の転機に寄り添い、ポジティブな変化を後押しする『ライフチェンジャー(人生を変える人)』と表現されています。

私は、これまでの「経験」や「こうあるべき」という枠を一度おろして、相談者の方と同じ空気を吸い、共に未来を模索する存在でありたいと思っています。

変化の激しい時代だからこそ、一人で抱え込まずに、あなたの人生に寄り添い共に新しい変革を創り出していく—。そんな「ライフチェンジャー」であり続けたいと、心から願っています。

楽しみながら、変幻自在に。

新しい時代のキャリアを一緒に描いていきましょう。

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大久保名美

人材活用と地域資源活用の分野でマルチキャリアで活動しています。
国家資格キャリアコンサルタント
AFPファイナンシャル・プランナー
合同会社福々舎 代表